冬になるとインフルエンザの患者さんが増え、その中で特に多いご相談が
「薬を飲んでいるのに熱が下がらない」
「何日も発熱が続いていて心配」
という声です。
インフルエンザは高熱が出やすい病気ですが、発熱が長引く理由には医学的な背景 があります。
今日は、インフルエンザで熱が下がらない理由と、解熱の目安、注意すべきサインについて、医師の立場から解説します。
インフルエンザの発熱の特徴|なぜ高熱が出やすいのか
インフルエンザの最大の特徴は、突然の高熱です。多くの方が38〜40℃の発熱を経験しますが、これはウイルスの性質によるものです。
インフルエンザウイルスは体内で急速に増殖し、免疫が強く反応します。その結果、体はウイルスの増殖を抑えるために体温を上げ、発熱という形で対抗します。
つまり、高熱は体がウイルスと戦っている証拠 とも言えます。
インフルエンザで発熱が下がらない主な理由
「なぜこんなに熱が続くのか」と不安になる方は多いですが、発熱が長引く理由はいくつかあります。
① ウイルスに対する免疫反応が続いている
インフルエンザでは、ウイルスが体内に残っている間、免疫反応が続きます。
そのため、解熱剤を使って一時的に熱が下がっても、薬の効果が切れると再び発熱することがあります。
これは治療が失敗しているわけではなく、免疫反応が継続している自然な経過 の一部です。
② 発症から日が浅い(まだ回復途中)
インフルエンザの発熱は、発症から2〜3日程度続くことが一般的です。
発症初期はウイルス量が多く、体の反応も強いため、熱が下がらないことは珍しくありません。
「発症してすぐ熱が下がらない=異常」というわけではない点を、まず知っておいていただきたいです。
③ 解熱剤の使い方による影響
解熱剤は発熱を一時的に抑える薬であり、ウイルスを直接退治する薬ではありません。
使用しても体の中で免疫反応が続いていれば、再び発熱することがあります。
また、解熱剤を無理に使い続ける必要はありません。
熱があっても、比較的元気で水分が取れていれば、様子を見る選択肢もあります。
④ 二次感染(肺炎・気管支炎)を起こしている
発熱が4日以上続く場合、インフルエンザに続いて 肺炎や気管支炎 を併発している可能性も考えます。
特に以下の症状がある場合は注意が必要です。
■ 二次感染を疑うサイン
- 咳がどんどん強くなる
- 痰が黄色・緑色になる
- 息苦しさがある
- 熱が下がらず、食事や水分がとれない状態が続いている
高齢の方や持病のある方は、早めの受診が重要です。
インフルエンザ治療薬を飲んでいるのに熱が続く理由
「治療薬を飲んでいるのに熱が続くのはなぜ?」という質問も多くいただきます。
インフルエンザ治療薬は、ウイルスの増殖を抑える薬です。
すでに増えてしまったウイルスを一気に消すわけではないため、服用後すぐに解熱するとは限りません。
多くの場合、服用後1〜2日かけて徐々に熱が下がっていきます。
インフルエンザの解熱の目安|何日で下がる?
一般的な経過を表にまとめます。
■ インフルエンザにおける発熱の経過
| 経過日数 | 発熱の状態 |
|---|---|
| 発症1日目 | 急激な高熱(38〜40℃) |
| 発症2〜3日目 | 高熱が続くことが多い |
| 発症3〜4日目 | 徐々に解熱し始める |
| 発症5日目以降 | 平熱に戻るケースが多い |
※あくまで目安であり、個人差があります。
解熱剤はいつ使う?正しい使い方の考え方
解熱剤は「熱を下げるために必ず使う薬」ではありません。
■ 解熱剤を使う目安
- 熱が高くてつらい
- 頭痛・関節痛が強い
- 水分が取れない
逆に、比較的元気で水分が取れている場合は、無理に使わなくても問題ありません。
■ 解熱剤使用時の注意点
- 用量・回数を守る
- 複数の解熱剤を併用しない
- 熱を「完全に下げきろう」としない
発熱は体の防御反応であることも意識しておきましょう。
発熱が続くときに注意すべき危険なサイン
インフルエンザの経過中でも、以下の症状がある場合は再受診をおすすめします。
■ 受診を考えるサイン
- 4日以上38℃以上の発熱が続く
- 呼吸が苦しい
- 咳が急に悪化した
- 意識がぼんやりする
- 食事・水分が取れない
- 高齢者・基礎疾患がある
これらは重症化や合併症の可能性があります。
惠仁クリニックでの対応|発熱が続く場合の診療内容
当院では、インフルエンザで発熱が続く場合、以下のような診療を行います。
■ 当院で行う検査・対応
- 再診察・経過確認
- 血液検査(炎症反応、重症度等)
- 胸部Ⅹ線(肺炎の有無を確認)
- 薬の調整
- 自宅療養のアドバイス
必要に応じて専門医療機関と連携します。
まとめ|インフルエンザの発熱は「経過」を見ることが大切
インフルエンザで熱が下がらないと、不安になるのは当然です。
しかし多くの場合、発症から数日は高熱が続くのが自然な経過 です。
大切なのは、
- 何日目なのか
- 症状が悪化していないか
- 水分が取れているか
を冷静に見極めることです。
気になる症状がある場合は、遠慮なくご相談ください。
患者さん一人ひとりの状態に合わせて、丁寧に対応いたします。
どうぞお大事になさってください。