こんにちは。江東区東砂の惠仁クリニック、院長の渋田です。
風がひんやりしてくる秋は、空気の乾燥がはじまる季節。
「のどがイガイガ」「夜になると咳が長引く」――そんなご相談が増えてきます。
今日は、秋の乾燥で起こりやすい咳の原因と、今日からできる対策をお伝えします。


秋に咳が出やすくなるワケ

  • 空気が乾く:湿度が下がると、のど・気道の粘膜が乾いて刺激に敏感になります。
  • 朝夕の冷え込み:急な気温差で気道が反応し、咳やゼーゼーが出やすくなります。
  • 秋花粉・ハウスダスト:ブタクサ・ヨモギなどの秋花粉や、衣替えで動くホコリが引き金に。
  • ウイルス性のかぜの残り:かぜが治っても、咳だけが数週間残ることがあります(後鼻漏〈こうびろう〉や気道の過敏)。
  • その他:咳ぜんそく、逆流性食道炎(胃酸の逆流)、お薬(降圧薬の一部 など)が原因のこともあります。

まずはここから|今日からできる“乾燥対策”

  • のどをうるおす:ぬるめの白湯・常温の水をこまめに一口。カフェイン・アルコールは飲みすぎ注意です。
  • 室内の湿度:目安は40〜60%。加湿器は毎日お手入れを(フィルターの汚れは逆効果)。
  • マスク:外気が冷たく乾いている日ほど、のどの保湿が大切です。
  • 鼻・のどケア:生理食塩水でのうがいや、やさしい鼻うがいも◎(水道水を使用する場合は、一度煮沸させて冷まして使用する方が安全です)。
  • 衣類:マフラーやスヌードで首元を保温。冷気を直接吸いこみにくくなります。
  • 掃除:床→低い棚の順でやさしく拭き掃除。換気は短時間×回数で。空気清浄機は入口付近に置くと効果的です。
  • 就寝前のひと工夫:枕を少し高く、口呼吸になりやすい方は鼻づまりのケアを(温かい蒸しタオルを鼻の付け根に当てるのもよいかもしれません)。

※ はちみつは1歳未満のお子さんには与えないでください(乳児ボツリヌス症の予防)。


咳を落ち着かせる“やさしい呼吸”

  • 口すぼめ呼吸:
    鼻からゆっくり吸う → 2) 口をすぼめて、細く長く吐く。
    息を吐く時間を吸う時間の2倍くらいに。のどの乾いた刺激がスッと落ち着きやすくなります。
  • のどを休ませる工夫:大声や長電話は少し控えめに。乾いた屋外での活動時は、マスク+鼻呼吸を意識しましょう。(息苦しさを感じるときは無理をしないでください)

市販薬・処方薬の“ちょいメモ”

  • 鎮咳薬・去痰薬:症状に合わせて短期間の使用で。眠くなりにくいタイプもあります。
  • 抗ヒスタミン薬:鼻水・くしゃみが強い時に。眠気が出にくい種類の選択も可能です。
  • 吸入薬・点鼻薬:咳ぜんそくや鼻づまりが強い方に有効なことがあります。
  • 胃薬:胸やけ・のどの違和感が強いなら、逆流の刺激による咳が隠れていることも。

自己判断で長く続けず、違和感があれば早めにご相談ください。


こんな咳は受診しましょう(目安)

  • 発熱や強いだるさ、息苦しさがある
  • 3週間以上咳が続く、毎晩咳が出て眠れない
  • ゼーゼー・ヒューヒューと音がする、胸が苦しい
  • 血が混じる、色の濃い痰が増えてきた
  • 持病(ぜんそく・心疾患・糖尿病など)がある、妊娠中、ご高齢の方
  • かぜの後で咳だけ長引く(咳ぜんそく・後鼻漏などの可能性)

小さなお子さんは状況により小児科をご案内することがあります。迷ったらお電話だけでもどうぞ。


惠仁クリニックでできること

  1. 問診:出やすい時間帯(朝晩)・場所(屋外/屋内)・誘因(冷気、笑い、会話、運動)をいっしょに確認します。
  2. 診察:口腔内や呼吸音などを確認します。必要に応じて酸素や炎症のチェックを行います。
  3. 必要な検査:血液検査(炎症・アレルギー)、胸部レントゲンなどを状況に応じて行います。
  4. 治療:生活リズムに合わせて、最小限で効きやすい薬を組み合わせます(眠気の出にくい選択、就寝前だけ使う方法など)。
  5. 再診の目安:悪化サインとセルフケアのコツを共有し、続けやすい形に整えます。

ミニQ&A

Q. マスクは屋外だけでいいですか?
A. 乾燥した屋外はもちろん、掃除や洗濯物の取り込みなど“ホコリや花粉が動く場面”でも役立ちます。

Q. 咳止めを飲むと痰が切れにくい気がします。
A. 症状の中心が乾いた咳か、痰がらみの咳かで使い分けが変わります。迷ったら、短期間の使用に留めてご相談ください。

Q. 寝ると咳が出やすいです。
A. 枕を少し高く、就寝前に白湯を一口、寝室は40〜60%の湿度を目安に。口呼吸が疑わしいときは鼻ケアも試してみてください。


院長のひとこと

秋は気持ちのいい季節ですが、のどには少し試練の時期でもあります。
「完璧にゼロ」より「今日はだいぶラク」を目指して、できることを少しずつ。
うるおい・保温・やさしい呼吸だけでも、毎日が変わってきます。つらい日は無理せず、いつでもご相談ください。よろしければ目安にしてください。実際の診断・治療は、個別の診察で相談しながら進めます。