こんにちは。
江東区東砂の惠仁クリニック、院長の渋田です。
「いびきがひどいと言われる」「寝ている間に呼吸が止まっているみたい」「日中の眠気が強くてつらい」——こうしたお悩みの背景に、睡眠時無呼吸症候群(SAS)が隠れていることがあります。
一方で、「治療って大変そう」「検査が面倒そう」と感じて、つい後回しにしてしまう方も少なくありません。
SASは、眠気やだるさだけの問題に見えやすいのですが、睡眠中に低酸素状態が繰り返されることで、心臓・血管に負担がかかりやすいことも知られています。
この記事では、SAS治療の全体像を、少し深めに分かりやすく整理します。
SASとは?|「無呼吸」と「低呼吸」を繰り返して睡眠が分断される
SASは、睡眠中に呼吸が止まる(無呼吸)/浅くなる(低呼吸)状態を繰り返し、睡眠の質が落ちる病気です。
呼吸が乱れると、体は酸素不足を補おうとして目が覚めるような反応(覚醒反応)を起こします。これが何度も起こると、深い睡眠が減り、次のような症状が出やすくなります。
- 日中の強い眠気、だるさ
- 集中力低下、仕事の能率低下
- 起床時の頭痛、口の渇き
- 夜間の中途覚醒、夜間頻尿
「眠れているつもりでも疲れが取れない」「朝からしんどい」という方は、睡眠が分断されている可能性があります。
なぜ放置が問題になりやすい?|低酸素と交感神経の緊張が続くため
SASでは、呼吸が止まるたびに酸素不足となり、体は“危険”として交感神経を緊張させて呼吸を再開させようとします。
この反応が一晩の中で何十回、何百回も起こると、心拍数や血圧が上がりやすくなり、体に負担がかかりやすいと考えられています。
もちろん個人差はありますが、特に以下に当てはまる方は、SASの評価を早めに行う価値があります。
- 高血圧がある/朝の血圧が高い
- 糖尿病や脂質異常など生活習慣病を指摘されている
- 日中の眠気が強く、運転や仕事が心配
SAS治療の全体像|「検査で重症度を確認」→「状態に合う方法を選ぶ」
治療は、症状だけで決めるのではなく、検査で重症度を確認してから進めます。
① 検査(まずは簡易検査から)
一般的には、自宅でできる簡易検査で睡眠中の呼吸・酸素などを測定し、必要に応じて精密検査で詳しく評価します。
ここで「どの程度の無呼吸が起きているか」「酸素低下がどれくらいか」を把握することで、治療方針が決まります。
② 治療方針の相談
同じ“無呼吸”でも、重症度、日中の眠気、合併症の有無、鼻づまりなどの状況で、治療の優先順位は変わります。
「治療が必要かどうか」「どの方法が合うか」を一緒に整理します。
主な治療法|CPAPだけではありません
1)生活習慣の改善(全員に重要)
SASの治療では、生活習慣の工夫が土台になります。完璧でなくても大丈夫です。
- 体重が増えている場合は、可能な範囲で調整
- 寝る直前の飲酒を控える(いびき・無呼吸が悪化しやすい)
- 横向きで寝る工夫(抱き枕など)
- 鼻づまり・乾燥対策(加湿、アレルギー対策)
2)CPAP療法(重症例などで中心になる治療)
就寝中にマスクを装着し、空気圧で気道が塞がるのを防ぐ治療です。無呼吸が改善すると、眠気や起床時のだるさが軽くなる方が多い印象です。
一定条件を満たす場合、保険診療で治療が受けられます。
3)マウスピース(口腔内装置)
軽症〜中等症などで検討されることがあります(適応は状態によります)。
4)その他(原因に応じて)
鼻の通りの問題が強い場合など、原因に応じた治療や専門機関との連携が必要なこともあります。
通院頻度の目安|CPAPは月1回程度のフォローが基本
通院頻度は治療内容で変わります。CPAPの場合は一般的に月1回程度のフォローが基本になることが多いです。
「毎月通うのは負担」と感じる方もいますが、眠気が改善して日中が楽になると、生活全体が回りやすくなる方もいます。
受診の目安|迷ったら“確認だけ”でも価値があります
- いびきが大きい/無呼吸を指摘された
- 日中の眠気が強く、仕事や運転に支障がある
- 起床時の頭痛、口の渇きが続く
- 夜間に息苦しくて目が覚めることがある
- 高血圧や生活習慣病を指摘されている
惠仁クリニックでの対応|症状と生活背景を踏まえて丁寧に整理します
当院では、症状の経過、生活リズム、飲酒、体重変化、鼻症状などを丁寧に伺い、必要に応じて検査をご案内します。
結果を踏まえ、生活の工夫から治療の選択肢まで整理し、続けやすい形を一緒に作ります。
まとめ|SASは“放置せず、状態を把握する”ことが第一歩
睡眠時無呼吸症候群は、眠気だけでなく、睡眠中の低酸素が体に負担をかける可能性があります。
気になる症状がある方は、早めに状態を確認しておくと安心です。
お気軽にご相談ください。