こんにちは。惠仁クリニック院長の渋田です。
「朝起きても疲れが取れない」「何もしていないのに体が重だるい」
そんな症状が何週間、何ヶ月も続いていませんか?
それはもしかすると、慢性疲労症候群(CFS)という病気のサインかもしれません。
一般的な「疲れ」とは異なり、慢性疲労症候群は容易に改善せず長期に疲労が持続する疾患であり、放っておくと日常生活に大きな支障をきたすことがあります。
今回は、疲れがとれない原因として注目されるこの疾患について、内科でできる検査や診察内容も含めて解説します。
◆ 慢性疲労症候群とは?
慢性疲労症候群(CFS:Chronic Fatigue Syndrome)は、6ヶ月以上続く重度の疲労が主症状で、休息や睡眠を取ってもほとんど回復しないのが特徴です。
ときに、立っているだけでつらい・頭が回らない・人と話すのも億劫と感じるほど、生活機能が落ちてしまう方もいます。
主な症状:
- 極度の疲労感(6ヶ月以上続く)
- 睡眠を取っても改善しない
- 集中力や記憶力の低下(「ブレインフォグ」)
- 微熱、のどの痛み、筋肉痛、関節痛
- 日内変動があり、午前中に症状が強く出ることも
◆ 「ただの疲れ」と何が違う?見逃されやすい注意点
「最近疲れやすいな」「年のせいかな」と見過ごされやすい慢性疲労症候群ですが、一般的な疲労と違い、生活に支障が出るレベルで続く点が特徴です。
| 比較項目 | 一般的な疲れ | 慢性疲労症候群 |
|---|---|---|
| 持続期間 | 数日〜1週間程度 | 6か月以上継続 |
| 回復 | 睡眠や休養で改善 | 休んでも改善しない |
| 日常生活 | 通常通りに可能 | 通勤・家事が困難になることも |
| その他の症状 | 疲れのみ | 発熱・痛み・思考力低下など多様 |
このように、慢性疲労症候群は「慢性的な体調不良の複合体」としてとらえることが重要です。
◆ 内科でできる検査と診察|“数値化できる不調”を見つける
「疲れたくらいで病院に行くのは…」と迷われる方も多いのですが、
内科では、他の病気との区別や体内バランスの乱れを数値で確認する検査を行います。
▶ 主な検査・診察内容
- 問診・経過観察:疲労の持続期間、影響、生活パターンなどを確認
- 血液検査:貧血、甲状腺ホルモン、肝機能、炎症反応(CRP)など
- 尿検査:糖やタンパク、脱水のサインをチェック
- 他疾患の除外:うつ病、自己免疫疾患、更年期障害などとの区別
慢性疲労症候群は他の疾患との重なりが多いため、正しい初期評価と専門機関との連携がとても重要です。
◆ 原因とされる要素はさまざま
CFSのはっきりとした原因は不明ですが、次のような要因が複合的に絡んでいるとされています。
- ウイルス感染の後遺症(インフルエンザ、EBウイルスなど)
- 自律神経の乱れ(ストレス、睡眠障害)
- 免疫系の過剰反応
- 心理的ストレスや過労の蓄積
- 腸内環境や栄養バランスの乱れ
これらの要因が「身体を守るシステム」に負荷をかけ、回復力を損なわせていると考えられます。
◆ 治療とセルフケアのヒント
慢性疲労症候群に特効薬はまだ確立されていませんが、内科的サポートと日常生活の見直しによって、症状を軽減することが可能です。
治療・支援の例
- 対症療法:不眠、痛み、抑うつなどに合わせた薬物調整
- 生活指導:「ペーシング」と呼ばれる活動量の調整
- 栄養・水分の見直し:不足しがちな鉄・ビタミンD・タンパク質などの補給
- ストレスケア:自律神経への影響を最小限に抑える工夫(ヨガ、深呼吸など)
◆ 院長からのひとこと
「休めば治ると思っていたのに、全然よくならない」
そうした声を、診察室でよくお聞きします。
疲労感は“主観的”な症状であるだけに、周囲に理解されにくく、自分でも深刻さに気づかないことがあります。
ですが、慢性疲労症候群は立派な医療対象であり、放置すれば悪化や長期化のリスクもあります。
当院では、原因がはっきりしない「なんとなくだるい・力が入らない」といった症状も、丁寧に問診・検査し、必要に応じて専門機関とも連携して対応しています。
「これって病気なの?」と悩む前に、どうぞお気軽にご相談ください。