こんにちは。江東区東砂の惠仁クリニック、院長の渋田です。
「出したいのに出ない」「コロコロで硬い」「スッキリしない」——そんな便秘の悩み、実は大腸の健康とも深くつながっています。今日は、慢性便秘の考え方・受診の目安・今日からできるコツ・検査や治療についてまとめます。
便秘ってなに?(やさしい定義)
便の回数だけでなく、硬さ・いきみ・残便感まで含めて便秘と考えます。
目安としては「週3回未満」「硬くて痛い」「強くいきむ」「出し切れない感じ」が数か月以上続く状態。お腹の張りや食欲低下、肌あれ、集中力低下につながることもあります。
まずは“赤信号”を見逃さない(受診を急ぐサイン)
- 血便・黒い便、急な体重減少、発熱
- 強い腹痛・吐き気、便が鉛筆のように細い
- 50歳以降に初めての便秘、家族に大腸がんがいる
- 市販薬でも長く改善しない/悪化している
このような時は、早めの受診で原因を確認しましょう。必要に応じて大腸の検査(便潜血や内視鏡)をご案内します。
今日からできる5つのコツ(“少しずつ”が続く近道)
1) 朝の“合図”づくり
朝は大腸が動きやすい時間。起きてコップ1杯の水→朝食をひと口でも→5〜10分トイレに座る、を毎朝の合図にします(出なくてもOK、続けることが大事)。
2) 姿勢を整える(足台のひと工夫)
洋式トイレは足元に15〜20cmの台を置いて、ひざを股関節より高く。背中は少し前傾、いきみは“フーッと細く長く吐きながら”がコツです。
3) 水分と“温かい一杯”
目安はこまめな水分(食事の汁物・お茶もカウント)。冷えが気になる方は白湯やスープを活用しましょう。心・腎の病気で水分制限がある方は主治医に相談してください。
4) 食物繊維は“少しずつ増量”
- 水溶性:海藻・オクラ・大麦・果物(キウイ・プルーン)など——便をやわらかく
- 不溶性:野菜・きのこ・豆類・雑穀など——量を増やす
一気に増やすと張りやガスが出やすいので、1品ずつ、1〜2週間ごとに増やしましょう。
5) 動く時間を“足す”
早歩き10分×2〜3回/日から。できる日は階段、家ではかかと上げ20回×2セット。腸は揺れ・重力・呼吸で元気になります。
便秘のタイプと対処の考え方(ざっくり)
- 弛緩(しかん)型:腸の動きがゆっくり。→ 水分・食物繊維・運動+便をやわらかくする薬が合うことが多いです。
- 痙攣(けいれん)型:ストレスや緊張でキリキリしやすい。→ カフェイン・香辛料を控え、温めてリラックス。
- 直腸性(出口の問題):残便感・指で押す・強いいきみが目立つ。→ 姿勢・リズムの見直し
- IBS便秘型:腹痛が主で便秘がセット。→ 痛みへの配慮やストレス対策、整腸薬などを組み合わせます。
どのタイプでも、毎日のルーティンと無理のない運動が土台です。
惠仁クリニックで行う検査(必要に応じて)
- 問診・診察:期間、便の形、食事・薬・ストレスの状況を確認
- 血液検査:貧血・炎症・甲状腺機能・電解質など
- 便検査:便潜血(大腸がん検診)
- 腹部X線:腸のガスや詰まり具合の参考に
*さらに専門的な検査(腹部CT、大腸内視鏡など)が必要な場合には、専門の医療機関をご紹介します。
お薬の使い方(“必要な分を上手に”)
- 便をやわらかくする薬(浸透圧性など):水分を引き込んで柔らかくします。
- 腸を動かす薬(刺激性・選択的作動薬など):腸の動きを助けるタイプ。連用量やタイミングは個別に調整します。
- 直腸刺激(坐薬・浣腸):どうしてもつらい時の短期救援に。
- 整腸薬・食物繊維製剤:腸内環境の底上げに。
腎機能や持病・他の薬との相性で使い分けが変わるため、自己判断で増減しないのが安全です。
ミニQ&A
Q. コーヒーは便秘に効きますか?
A. 朝のコーヒーが合う方もいます。胃腸が刺激され“出る合図”になることがありますが、飲み過ぎ・空腹時は胃もたれや逆流の原因にも。自分に合う量を見つけましょう。
Q. ヨーグルトや乳酸菌は?
A. 合う人・合わない人がいます。2週間は同じ製品で試して、変化がなければ切り替えを。食物繊維とのセット使いが効率的です。
Q. 子どもの便秘も同じですか?
A. 基本は似ていますが、成長や食事量が関わるため別設計が必要です。つらい時は無理をせずご相談ください。
予防としての“大腸ケア”
- 大腸がん検診(便潜血検査)は対象年齢になったら毎年
- 食物繊維+発酵食品+適度な運動を習慣に
- ストレス対策(睡眠・入浴・深呼吸・軽運動)も腸の味方です
院長のひとこと
便秘は“体質”ではなく“暮らし方との相性”で良くなることが多いです。
まずは朝の合図・足台・こまめな水分から。無理のない一歩を積み重ねれば、腸はちゃんと応えてくれます。
気になるサインがある時は、遠慮なくご相談くださいね。
※医療判断を目的としたものではありません。体調に不安が続く場合は受診してください。