こんにちは。江東区東砂の惠仁クリニック、院長の渋田です。
「健診でAST/ALTやγ-GTPが高いと言われた」「再検査って何をするの?」——そんな不安、よく伺います。今日は、よくある原因・受診の流れ・今日からできることについて整理します。


まずは落ち着いて:ここを確認

  • どの項目が高い?(AST・ALT・γ-GTP・ALP・ビリルビン など)
  • 当日の状況:前日に飲酒は?激しい運動や脱水は?薬・サプリは?
  • 過去の結果:以前から高めか、今回だけ急上昇かで見え方が変わります。
  • 自覚症状:だるさ・食欲低下・黄疸(皮ふや白目が黄色)・こむら返り・かゆみ などは要メモ。

結果票・お薬手帳・サプリの写真を持参すると、診察がスムーズです。


よくある原因(イメージをつかむ)

  • 脂肪肝:体重増加・内臓脂肪・夜の食べ過ぎ・甘い飲み物の常飲などが背景に。
  • アルコール:量・回数・飲み方で数値が変動。夜遅い飲酒は上振れしやすいです。
  • 薬・サプリ:一部の痛み止め、漢方・サプリでも影響することがあります(自己判断で中止せず相談を)。
  • ウイルス性肝炎(B・C):既往や家族歴がある方、かつての輸血歴などは確認。
  • 胆道系のトラブル:胆石・胆のう炎などではALP・γ-GTPが上がることがあります。
  • 筋肉由来・甲状腺など:激しい運動後や甲状腺機能の乱れで数値が上がることも。

受診の流れ(惠仁クリニック)

  1. 問診・診察:飲酒・食事・体重変化・薬/サプリ・既往歴・家族歴を確認。
  2. 採血の再確認:AST/ALT/γ-GTP/ALP/ビリルビン/脂質/血糖・HbA1c/甲状腺 などを必要に応じて。
  3. ウイルス検査:必要に応じてHBs抗原・HCV抗体など。
  4. 方針共有:結果を見える化して、生活の整え方+再検スケジュール、必要時は専門連携までご提案。

 *さらに専門的な検査(腹部CT、大腸内視鏡など)が必要な場合には、専門の医療機関をご紹介します。

数値の“軽度~中等度”上昇は数週間〜数か月単位で再確認することが多いです。急上昇や症状を伴う時は早めの精査をご提案する場合があります。


受診を急いでほしいサイン

  • 黄疸(皮ふ・白目が黄色)、こげ茶色の尿・白っぽい便
  • 強いだるさ・吐き気・食欲不振・発熱
  • 右上腹部の強い痛み
  • 数値が大きく跳ねた/短期間でさらに悪化
     

迷ったら遠慮なくご相談ください。


今日からできる“立て直し”のコツ

1) アルコールはいったん休止

少なくとも再検までストップ。その後は量と回数を見直しましょう(休肝日週2が目安)。

2) 甘い飲み物・夜食をオフに

ジュース・加糖コーヒー・エナジードリンクは脂肪肝の材料になりやすい代表。水・お茶に置き換え、就寝2〜3時間前の食べ物・アルコールは控えましょう。

3) 主食は“手ばかり”、たんぱく質は“毎食”

片手〜両手1杯の主食量を目安に、魚・大豆・卵・鶏むねなどのたんぱく質+野菜を先に。食べ過ぎ回避がポイント。

4) “歩く+ちょこ筋”で代謝を底上げ

早歩き10〜15分×1〜2回/日から。テレビを見ながらスクワット10回×2〜3セット、かかと上げ20回など、生活のすき間に。

5) 睡眠を一定に、無理な断食はNG

就寝・起床をほぼ一定に。極端な断食や自己流のサプリ増量は避け、結果が出るまで安全第一で。

体重は5〜10%減でも肝の状態が良くなることが多いです。“ゼロより少し”の積み重ねを。


ミニQ&A

Q. お酒をやめたら数値は下がりますか?
A. 多くの方で数週間〜数か月で改善が見られます。飲み方の調整も含め、結果を見ながら一緒に設計します。

Q. 正常値でも脂肪肝はありますか?
A. あります。エコーで初めて見つかることも。数値だけで安心せず、画像とセットで評価するのが安全です。

Q. サプリはやめた方がいい?
A. 影響するものもあります。一度リスト化のうえ診察で相談し、必要なら中止・変更を検討します。


当院でできること

  • 血液検査/結果の見える化
  • 生活に合わせた現実的なプラン(食事・運動・アルコール)
  • 再検のタイミング設計と、必要時の専門医連携

院長のひとこと

肝臓は沈黙の臓器ですが、整えた分だけ応えてくれる臓器でもあります。
まずは原因の切り分けと、できる範囲の生活の立て直しから。
不安な気持ちはそのままにせず、気軽にご相談ください。
※医療判断を目的としたものではありません。体調に不安が続く場合は受診してください。