こんにちは。惠仁クリニック院長の渋田です。
季節の変わり目になると、「風邪が治っても咳だけがなかなか止まらない」というご相談が増えてきます。特に春先や秋口などに長引く咳の患者さんが増えることがあります。

そんな長引く咳、実は“喘息”の症状かもしれません。今日は、喘息とその診療について、当院での取り組みとともにお伝えします。


◆ 喘息の特徴と症状の進行

喘息は、気道と呼ばれる肺へ続く空気の通り道が慢性的に炎症を起こしている状態です。この炎症が続くことで、気道が狭くなり、ちょっとした刺激でも咳や息苦しさといった症状が出るようになります。とくに、夜中や明け方に咳が強くなって目が覚めてしまう方は、注意が必要です。

患者さんの中には「風邪が長引いているだけだと思っていた」と話される方もいらっしゃいます。しかし、風邪の咳は通常1週間ほどで治まるのに対し、2週間以上続く場合には喘息の可能性があります。市販の咳止めを使っても改善しない場合は、一度病院でみてもらった方がよいでしょう。


◆ 「咳喘息」ってご存じですか?

最近では、「咳喘息」というタイプの喘息も増えています。これは、いわゆる“ゼーゼー”“ヒューヒュー”といった喘鳴を伴わず、咳だけが続くタイプの喘息です。気道の炎症はあるものの、呼吸時の特徴的な音や息苦しさがないために見過ごされやすいという特徴があります。

咳喘息は早期に治療を開始すれば改善が見込めますが、放っておくと気管支喘息に進行することもあります。たとえば、「会話中に咳き込むことが増えた」「夜になると決まって咳が出る」といった方は、一度ご相談いただければと思います。

咳喘息の特徴をまとめると、次のようになります:

症状の特徴説明
咳が2週間以上続く咳は夜間や早朝に出ることが多く、会話中に悪化することも
呼吸音の異常なし「ヒューヒュー」や「ゼーゼー」が出ない
一般的な咳止めが効きにくい市販薬で効果が出ない場合が多い
気管支拡張薬に反応あり吸入薬で改善する傾向

◆ 当院での診断と治療の流れ

当院では、患者様のお話を丁寧に伺いながら、必要に応じて他の病気の可能性を探ったり、治療を検討したりするため、胸部X線検査や血液検査等を行います。「どんなタイミングで咳が出るのか」「息苦しさを感じるか」「夜中に目が覚めるほどか」など、日常生活の中での細かな変化を見逃さないように心がけています。

診断後は、吸入ステロイド薬を中心とした治療を行います。このお薬は、気道の炎症をしずめる働きがあり、毎日しっかり続けることで発作の予防につながります。

吸入薬と聞くと、「なんだか難しそう」と思われるかもしれません。ですが、実際にはコツをつかめば難しくなく、当院では使い方の指導も丁寧に行っています。わからないことやお困りのことがありましたら、いつでもお尋ねください。


◆ 日常でできる予防の工夫

喘息は、薬だけでなく生活環境の整備も大切です。たとえば、花粉やハウスダストなどのアレルゲンを避けたり、寒暖差の激しい日にはマスクやマフラーで気道を守ったりすることが、症状の悪化を防ぐポイントになります。

特にご家庭で気をつけていただきたいのは以下のような点です:

  • 寝具やカーペットのこまめな掃除(ダニ・ホコリ対策)
  • 加湿器で湿度を適度に保つ(乾燥を防ぐ)
  • 花粉の季節は帰宅後のうがい・洗顔を徹底する
  • 喫煙者は禁煙の検討を(副流煙も影響)

また、ストレスや過労、睡眠不足も症状の引き金になることがあります。忙しい日々の中でも、深呼吸をしたり、体を休める時間を意識的に作ることで、喘息のコントロールがしやすくなります。


◆ ひとりで悩まず、気軽に相談を

「この程度の咳で受診するのは大げさかな…」と躊躇される方もいらっしゃいます。でも、咳が長く続くというのは、体からの大事なメッセージです。少しでも違和感を感じたら、早めにご相談いただくことで、治療の選択肢も広がります。惠仁クリニックでは、江東区(東砂・北砂・東大島・大島周辺)にお住まいの方々の健康を見守る“かかりつけ医”として、日々丁寧な診療を心がけています。
長引く咳や呼吸の違和感が気になるときは、ぜひお気軽にご相談ください。