こんにちは。惠仁クリニック院長の渋田です。
11月に入り、朝晩の冷え込みがぐっと強まってきました。この時期になると、咳・喉の痛み・発熱といった症状を訴える方が一気に増えてきます。
冬は空気が乾燥し、ウイルスの活動が活発になるため、さまざまな感染症が流行する季節です。特に、集団生活をしているお子さんや、免疫力が低下しやすい高齢の方にとっては注意が必要な時期でもあります。
本日は、「この冬に流行しやすい感染症」とその「予防法」についてご紹介いたします。ご家族の健康を守るための参考になれば幸いです。
◆ 冬に流行する代表的な感染症とは?
以下の感染症は、例年11月〜3月にかけて流行が見られます。
| 感染症名 | 主な症状 | 特徴・流行時期 |
|---|---|---|
| インフルエンザ | 高熱、関節痛、咳、喉の痛み | 12月〜2月がピーク |
| ノロウイルス | 嘔吐、下痢、腹痛 | 11月〜2月、感染力が非常に強い |
| RSウイルス | 鼻水、咳、発熱(乳幼児注意) | 年末にかけて流行、再感染も多い |
| 溶連菌感染症 | 強い喉の痛み、発熱、発疹 | 小児中心に流行 |
| 新型コロナウイルス | 発熱、咳、喉の痛み、味覚嗅覚異常 | 年中流行、冬は感染拡大しやすい |
◆ 各感染症の特徴と予防ポイント
🔹 インフルエンザ
- 急激な高熱、全身の倦怠感、咳・喉の痛みが特徴。
- 1〜2日の潜伏期を経て突然発症。
- 予防策:ワクチン接種(11〜12月中までに)、手洗い、マスク着用、栄養バランスの良い食事。
🔹 ノロウイルス
- 嘔吐や水様性の下痢、軽い発熱。
- 感染力が非常に強く、調理や介護を通じて家庭内に広がりやすい。
- 予防策:しっかりとした石けん手洗い、食品の加熱(85℃以上で1分以上)、汚物処理は次亜塩素酸で消毒。
🔹 RSウイルス
- 特に生後6か月以内の赤ちゃんで重症化の恐れ。
- 鼻水→咳→呼吸困難に進行する場合も。
- 予防策:兄姉・保護者の手洗い徹底、乳児の周囲での咳エチケット、保育園との情報共有。
🔹 溶連菌感染症
- 発熱と喉の激しい痛み、咳がほとんどでない、発疹が特徴。
- 完全に治すには抗菌薬の服用が必要。
- 予防策:学校や家庭内でのタオル共有を避ける、早期の医療機関受診。
🔹 新型コロナウイルス
- インフルエンザと同様の症状だが、嗅覚・味覚異常や長期的な倦怠感も特徴。
- 感染者数が少ない時期も、油断せず基本の予防策を継続することが大切。
- 予防策:最新ワクチン接種、換気、混雑場所でのマスク。
◆ 感染症に共通する予防の基本
| 予防習慣 | 内容とポイント |
|---|---|
| 手洗い・うがい | ウイルスは物に付着します。帰宅後・食事前は必ず石けんで洗いましょう |
| マスク着用 | 特に咳・くしゃみがある場合は必須。公共の場でもマナーとして |
| 加湿・換気 | 湿度は50〜60%を目安に。ウイルスは乾燥で活性化します |
| 睡眠と食事 | 免疫力を落とさないために、7時間以上の睡眠と栄養のある食事を |
| ワクチン活用 | インフルエンザ、コロナ、肺炎球菌など、対象に応じて相談を |
◆ 子どもと高齢者は要注意!家庭でできる感染対策
👶 乳幼児の感染症対策
- 免疫が未発達で軽い風邪でも重症化するリスク
- 小児科での適切な検査・診断・治療が早期回復のカギ
- 家庭内感染を防ぐには:
- 家族全員がワクチン接種
- おもちゃやタオルの消毒
- 同居の兄姉の風邪にも注意
- 家族全員がワクチン接種
👵 高齢者の感染症予防
- 高齢者は肺炎や心不全を併発しやすいため、インフルエンザやコロナウイルス感染症でも入院の可能性が高まります。
- 日頃からの健康維持(血圧・血糖コントロール)が重要。
- 訪問者の体調確認・接触制限も大切です。
🏡 家族みんなで守る“感染予防習慣”
- 帰宅後の全員手洗い・うがいルール
- 定期的な部屋の換気
- 食事前の消毒・体調記録の共有
家族全体で意識を高めることが、子ども・高齢者を守る第一歩になります。
◆ 院長からのひとこと
感染症は“完全に防ぐ”ことは難しくても、日々の生活の中で予防できることがたくさんあります。
特に冬はウイルスが活発になりやすい時期ですので、
「ちょっと疲れたな」「のどがイガイガするな」と感じたら、早めの休養・受診をおすすめします。惠仁クリニックでは、インフルエンザ予防接種や感染症外来も行っています。
江東区東砂・北砂・東大島・大島エリアにお住まいの皆さまの“かかりつけ医”として、気になることがあればいつでもご相談ください。