こんにちは。江東区東砂の惠仁クリニック、院長の渋田です。
冷たい空気と乾燥で、眠りが浅い・夜中に目がさめる・朝スッキリしない…冬はそんなご相談が増えます。
この記事は「温める・潤す・光」の3つの柱で、今夜からできる工夫をまとめています。


冬に眠りが乱れやすいワケ

冬は日照時間が短く体内時計が後ろにずれやすい季節。そこに乾燥や手足の冷えが重なると寝つきが悪くなり、明け方の室温低下で目が覚めやすくなります。まずは原因を知って、無理のない対策から。


1. 温める(夜のルーティン:寝る60〜90分前から)

眠りに入る前は、ゆるやかに体温を下げる準備がポイントです。

  • ぬるめの入浴・足湯で深部体温をふわっと上げる→上がった体温が自然に下がるタイミングで寝つきやすくなります。
  • 携帯電話の強い照明と画面の眩しさは一段落として、通知も最低限に。
  • 呼吸とストレッチ:肩を上げて5秒→脱力を数回、鼻から吸って細く長く吐く呼吸でスイッチをオフへ。

熱すぎる長風呂は逆効果で目が冴えることがあります。気持ちよい温度で短めが目安です。


2. 潤す(乾燥ケア&寝室づくり)

  • 室温と湿度:目安は18〜20℃/湿度40〜60%。明け方の冷え込み対策にタイマー暖房も◎
  • 寝具:毛布は掛け布団の内側に入れると保温性アップ。足先の冷えには湯たんぽ(低温やけどに注意)。
  • パジャマ:吸湿発熱系や、首・手首・足首を冷やさない衣類に。締め付けは最小限。
  • のど・鼻の保湿:就寝前に白湯を一口、寝室に清潔な加湿器。
  • 音と光:カーテンの隙間光や機器の小さな点灯は可能なら遮断。必要な人は小さめの環境音で静けさの不安を和らげてもOK。

3. 光(朝のリセットと日中の光の使い方)

  • 朝はまず光:起きたらカーテンを開け、数分の朝日で体内時計を前に戻します。
  • 温かい一口と軽い動き:白湯や味噌汁を一口、背伸び・肩回しで血流をオン。
  • 朝食を少しでも:温かいスープ+主食少量など、胃腸のエンジンをかけると昼の眠気が軽く。
  • 日中も光に当たる:外に出られない日は窓辺でOK。
  • 運動のタイミング:日中〜夕方の軽い運動は眠りを助けますが、寝る直前の激しい運動は避ける。
  • 仮眠と刺激物:仮眠は20分以内・夕方は避ける。夕方以降のカフェインは控えめに。アルコールは寝つきを良くしても眠りを浅くします。

ミニQ&A

Q. 寝室の湿度が40%に届きません。上げるコツはありますか?
A. 加湿器のほか、洗濯物の部屋干しも一案です(結露・カビ対策はお忘れなく)。

Q. 手足が冷えて寝られません。
A. 足湯→乾いた靴下/レッグウォーマーが有効。電気毛布は低温やけどに注意し、温めすぎない設定で。

Q. 夜中に目が覚めたら?
A. 時計は見ず、静かな呼吸に意識を戻して。10〜15分戻らなければ、薄明かりで別室に移って軽いストレッチや読書で眠気を待つのも有効なことがあります。


受診の目安(ご相談ください)

  • いびきが大きい/呼吸が止まると言われる/朝の頭痛(睡眠時無呼吸の兆候)
  • 脚がむずむずして眠れない(むずむず脚症候群の可能性)
  • 寝つきが極端に悪い・夜何度も起きてしまう、日中の強い眠気が3週間以上
  • うつ・不安が強い、睡眠薬の自己調整で困っている

3つの柱の“持ち帰りメモ”

  • 入浴は心地よい温度で短め、就寝60〜90分前に(温める)
  • 寝室18〜20℃・湿度40〜60%を目安に、のど・鼻は白湯+加湿(潤す)
  • 朝は光を浴びる/夕方以降のカフェインは控える(光)

院長のひとこと

冬の眠りは、完璧より“ちょっと心地よく”の積み重ねが近道です。
からだを温めて、空気を潤して、朝に光を迎える。この3つだけでも、明日の目覚めが変わってきます。
何か困ったことがありましたら、気軽にご相談ください。
※本記事は参考情報です。個別の判断は診察にてご相談ください。