こんにちは。江東区東砂の惠仁クリニック、院長の渋田です。
「ドキドキが急に速くなる」「トントンと抜ける感じがする」「めまいがして不安」——そんな動悸(どうき)や脈の乱れ、気になりますよね。今日は不整脈のよくある症状と、受診時の検査の進め方について整理します。


不整脈ってどんな状態?

心臓はふつう規則正しく収縮していますが、そのリズムが速くなる(頻脈)・遅くなる(徐脈)・不規則になる状態をまとめて「不整脈」と呼びます。
原因は幅広く、無害な脈の乱れから治療が必要なタイプまでさまざま。症状の出方と検査で見極めます。


こんな症状は不整脈のサインかも

文章でイメージをつかんだあと、チェックリストで振り返りましょう。

ふだん:
脈が急に速くなる/飛ぶ感じ/一拍抜けてズンと重い、胸の違和感、息切れ、だるさ。

強いとき:
めまい・ふらつき・冷や汗・胸痛・息苦しさ、ときに意識が遠のく。

  • 引き金になりやすい場面:寝不足・ストレス・発熱・カフェインやアルコールの取りすぎ・脱水・運動直後 など
  • 装着端末の通知:スマートウォッチの「脈が不規則」アラートも、受診時の参考になります(スクリーンショット歓迎)。

「いつ・何をしている時に・どれくらい続いたか」をメモしておくと、診察がスムーズです。


受診の目安

  • 胸痛・息苦しさ・冷や汗を伴う
  • 失神(意識を失った)、もしくはそれに近い強いめまい
  • 動悸が長く続く/頻繁に繰り返す
  • 心疾患の既往がある、または家族に心臓突然死がいる
  • 甲状腺の病気・電解質異常などの持病がある

迷ったら早めにご相談ください。


惠仁クリニックでの診察と検査の流れ

  1. 問診・診察
    いつから・どんな感じ・きっかけ・持続時間・既往歴・お薬(サプリ含む)を確認。聴診や血圧もチェック。
  2. 心電図(12誘導ECG)
    来院時に不整脈が出ていればその場で確認できます。
  3. 長時間の心電図記録
    • ホルター心電図(24時間以上):日常生活の脈を記録
  4. 血液検査
    貧血、甲状腺機能、電解質(カリウム・マグネシウムなど)、炎症や心筋酵素の目安。
  5. 胸部X線
    心拡大や肺の状態などを画像で確認します。
  6. 方針の共有
    結果をわかりやすく説明し、**経過観察/生活調整/薬物療法/専門連携(アブレーション等)**を一緒に決めます。

  *さらなる検査(心エコー、運動負荷心電図など)や専門的な診察が必要な際には専門の医療機関にご紹介します。


よくある不整脈のタイプと考え方

  • 期外収縮(上室性・心室性):一拍「飛ぶ」「ドンと響く」感じ。無症状〜軽症なら経過観察のこともあります。頻度が多い・症状がつらいときは治療を検討します。
  • 心房細動:脈がバラバラで速くなりやすいタイプ。血栓予防(抗凝固)や心拍数・リズムの調整、カテーテル治療を検討します。
  • 発作性上室性頻拍(PSVT):突然ドキドキと高速に。若年〜中年にも多く、**迷走神経刺激(頸動脈洞マッサージ等は医療者指導下)**や薬などで改善が期待できます。
  • 徐脈(洞不全症候群・房室ブロック):脈が遅い/意識が遠のく。状況によりペースメーカーを検討することがあります。

どのタイプでも「症状の強さ」「持続時間」「心臓の基礎疾患の有無」などで方針が変わります。


今日からできるセルフケア

  • 睡眠と水分:就寝・起床をほぼ一定に、脱水を避けましょう(特に発熱・運動時)。
  • 刺激物の見直し:カフェイン・アルコールを控えめに(夜間は特に)。
  • 市販薬の注意:一部の総合かぜ薬・鼻炎薬は脈を速くすることがあります。気になるときはご相談を。
  • 記録:発作のタイミング、スマートウォッチの記録が診断の助けになります。

よくある質問(Q&A)

Q. 動悸=不整脈ですか?
A. 不整脈が原因のこともありますが、貧血・発熱・ストレス・甲状腺機能などが背景のことも。検査で切り分けます。

Q. 検査の日は症状が出ないかもしれません。
A. その場合に備えて長時間記録(ホルター/パッチ)を使います。日記や端末のログも有用です。

Q. スマートウォッチで「不規則な心拍」と出ました。受診すべき?
A. スクリーンショットを保存して受診してください。検査の要否を一緒に判断します。

Q. 薬はずっと飲み続けますか?
A. タイプや重症度次第です。**生活調整や手技(アブレーション等)**で減らせるケースもあります。


惠仁クリニックでできること

  • 初期評価(心電図・血液検査・胸部X線)で危険サインの見極め
  • ホルター/パッチ型心電図の手配、結果に応じた専門医連携
  • 生活やお仕事に合わせた現実的な治療計画づくり(通院間隔・検査タイミングを調整)

院長のひとこと

脈の乱れは、怖さより先に仕組みの理解が安心につながります。
「いつ・どんなとき・どれくらい」のメモと、必要な検査で正体を見極めるところから。
不安な夜を減らすお手伝いをします。どうぞ気軽にご相談ください。
※本記事は参考情報です。個別の判断は診察でご相談ください。