こんにちは。江東区東砂の惠仁クリニック、院長の渋田です。
「食後に胸が焼ける」「のどがヒリヒリする」「酸っぱい感じやゲップが続く」——そんな不快感やお悩み、毎日の楽しさをそいでしまいますよね。
この記事では、逆流性食道炎(GERD)の【原因】【治療】【今日からできるセルフケア】を、実生活に寄せてまとめます。
逆流性食道炎ってどんな病気?
胃の内容(胃酸や食べ物)が食道へ逆流し、胸やけ・呑酸(すっぱい液が上がる)・のどの違和感や咳などを起こす病気です。
食道は胃ほど酸に強くないため、刺激が続くと炎症になります。内視鏡で炎症がはっきり見えにくくても、症状を中心に診断・治療することがあります。
原因と“悪化させやすい”きっかけ
- からだの要因:下部食道括約筋のゆるみ(加齢・体重増加・妊娠・食後の腹圧上昇)、食道裂孔ヘルニア
- 食事・嗜好:脂っこい料理/アルコール/炭酸/チョコ/ミント/柑橘・トマト/強い辛味・酸味、食べすぎ・早食い
- 生活動作:食後すぐ横になる、前かがみ姿勢が長い、ベルトや下着の強い締め付け
- 薬の影響:一部の痛み止め(NSAIDs)、カルシウム拮抗薬など ※自己判断での中止はせず、診察でご相談を
- その他:強い咳や便秘で腹圧が上がる、睡眠不足・ストレスによる自律神経の乱れ
「いつ・何をしたら悪化するか」をメモしておくと、対策がぐっと立てやすくなります。
今日からできるセルフケア
食べ方
- 腹八分目を目安に、よく噛んでゆっくり。
- 就寝2〜3時間前は食べない。夜食・遅い時間の大量飲酒は控えめに。
- 脂っこい料理・炭酸・アルコール・チョコ・ミント・強い酸味/辛味は頻度を下げる(完全ゼロにしなくてOK)。
動き方・姿勢
- 食後すぐ横にならない、前かがみ作業は短時間で。
- ベルト・下着の締め付けをゆるめる。体重管理を少しずつ。
- 咳・便秘で腹圧が上がると悪化しやすいので、便通ケア・咳の治療も並行して。
寝方
- 頭側を少し高く(枕を重ねる/ベッドの頭側を数cm上げる)。
- 左向き寝は逆流が起きにくいと言われています。個人差がありますので合う姿勢を試してみてください。
受診の目安
- 黒い便(タール便)・吐血・強い貧血がある
- 体重減少、飲み込みにくさ、繰り返す嘔吐
- 胸の痛み・締め付け感が強い(心臓の病気との見極めが必要)
- 市販薬で改善しない/長く繰り返す
受診したら何をする?
- 問診・診察:症状の出方、きっかけ、日常動作・食事、内服薬を確認
- 検査(必要に応じて)
- 内視鏡(胃カメラ):食道・胃の炎症や潰瘍、ヘルニアの有無を確認
- 血液・便・ピロリ菌検査、腹部エコー など状況に応じて
- 長引く・判断が難しい場合は食道pH・インピーダンス検査を検討することも
- 内視鏡(胃カメラ):食道・胃の炎症や潰瘍、ヘルニアの有無を確認
- 方針の共有:生活調整+薬物療法を段階的に。必要に応じて専門医との連携
*当院では行っていない検査もありますので、検査希望のある方は事前にご相談ください。
治療の基本
- 生活調整(上記セルフケア)を土台に、薬を最小限で効果的に使うのが基本です。
- 胃酸を抑える薬
- PPI(プロトンポンプ阻害薬):効果が強く、まず検討することが多いお薬。
- H2ブロッカー:比較的マイルド、頓用で使うことも。
- PPI(プロトンポンプ阻害薬):効果が強く、まず検討することが多いお薬。
- 胃内容物の“逆流から守る”薬
- アルギン酸製剤など:逆流しても食道粘膜を保護します。
- アルギン酸製剤など:逆流しても食道粘膜を保護します。
- 胃の動きを助ける薬(必要時):食後のもたれ・ガスが強いタイプで検討。
- 再発予防:整ったら少ない量で維持/必要時のみに切り替えるなど、症状に合わせて調整。
- 手術:食道裂孔ヘルニアが大きい、薬で整わない——など限られたケースで専門治療を検討します。
妊娠・授乳中、持病や内服薬がある方は、使える薬が変わります。自己判断で中止・追加せず、診察でご相談ください。
ミニQ&A
Q. 市販薬で様子を見ても良い?
A. 一時的に楽になることはありますが、繰り返す・長引くなら原因の確認をおすすめします。
Q. お酒はダメ?コーヒーは?
A. 量や時間帯に注意すれば完全禁止ではありません。夜遅い飲酒・大量飲酒、空腹での濃いコーヒーは控えめに。
Q. いつ良くなったと判断?
A. 症状がほぼない日が続く→薬を減らしても崩れない、まで行けたら目標達成。再発しやすい季節・行事前だけ“予防的に整える”方法もあります。
惠仁クリニックでできること
- 初期評価(問診・診察・必要検査)で、心臓・胆のう・膵臓など他の原因も丁寧に見極め
- あなたの生活に合わせた食事・寝方・お薬の使い方の設計
- 内視鏡・専門医への連携が必要な場合はスムーズにご案内
- 仕事や家事に響かないよう、最小限で効く治療計画をご一緒に
院長のひとこと
「食後はまっすぐ・夜は少し高く」——この2つだけでも、体感が変わる方は多いです。
無理のない範囲で食べ方・姿勢・寝方を整えつつ、必要なお薬は短く・上手に。
気になるときは、いつでもご相談ください。
※参考としてご覧ください。詳しいことは体調に合わせてご相談ください。