こんにちは。江東区東砂の惠仁クリニック、院長の渋田です。
「健診で血圧を指摘された」「家で測ると高め」——そんなご相談が増えています。今日は高血圧の基準と、今日からできる生活の工夫をやさしくまとめます。


高血圧の“目安”を先に

  • 診察室の血圧(受診時)が 140/90 mmHg 以上 → 高血圧の可能性
  • 家庭血圧が 135/85 mmHg 以上 → 高血圧の可能性
    (複数回の測定で判断します。1回の高値だけでは決まりません)

※ 家庭血圧は“普段のあなた”を映す大切な情報です。診察室だけ高く出る「白衣高血圧」が隠れていないか、逆に家庭で高い「仮面高血圧」がないか、確認に役立ちます。


正しい“測り方”が一番の近道

測り方で10〜20mmHg変わることも。次のポイントを確認しましょう。

  • 測る前30分はカフェイン・喫煙・強い運動を避ける
  • 5分安静、背もたれにより、足は床に、脚は組まない
  • 腕帯は素肌に、心臓の高さで、測定中は話さない
  • 朝は起床1時間以内・排尿後・朝食前/夜は就寝前、各2回測定して平均を記録

生活改善の5つのコツ

1) 塩分を“日本基準で”しっかり控えめに

日本の高血圧ガイドラインは、1日食塩6g未満を推奨。みそ汁・漬物・加工食品の“合計”で越えやすいので、汁は少なめ・減塩調味料・素のだしを意識しましょう。

2) 野菜・果物・乳製品で“DASH寄せ”

果物・野菜・低脂肪乳製品・全粒穀物・魚・豆を増やし、飽和脂肪と砂糖を控えるDASH食は血圧を下げることが示されています(腎臓病の方はカリウムに注意)。 

3) 体重は“ちょい落とし”でも効く

体重を5%前後落とすだけでも血圧は下がりやすくなります。夜の間食を1つ減らす・エレベーターを1フロア分だけ階段になど、続けられる小さな工夫から。

4) 動く習慣を足す

中等度の有酸素運動(早歩きなど)を週150分目安に。日中〜夕方の運動が◎、就寝直前の激しい運動は睡眠の質を落とすことがあります。

5) お酒とタバコを見直す

飲酒は控えめに(連日の多量飲酒は血圧を上げます)。禁煙は血管の炎症を抑え、合併症予防に直結します。


受診のタイミング

  • 家庭血圧で135/85以上が続く
  • 健診で要精査を指摘された
  • 頭痛・動悸・息切れなどの自覚が増えてきた
  • 糖尿病・脂質異常・腎機能低下などの合併リスクがある

上が160/下が110以上に加え、胸痛・息苦しさ・神経症状(しびれ・言葉が出にくい等)があれば緊急受診を検討してください。


惠仁クリニックでできること

  1. 問診・診察:生活パターン、家族歴、服薬歴を確認
  2. 検査:血液・尿、心電図、必要に応じて腎機能・眼底などを段階的に
  3. プラン作り:
    • 家庭血圧の付け方を一緒に確認
    • 減塩・食事・運動を“無理なく続く形”に調整
    • 数値・リスクに応じてお薬の要否を検討(目標値のめやす <130/80 を目指すこともあります)

よくある質問(Q&A)

Q. まず何を変えれば早く下がりますか?
A. 塩分6g未満+毎日少し歩く。この2つが費用対効果◎です。外食時は「汁物を一つ減らす」「ソースは別添え」が実用的。

Q. 家で測ると高く、病院だと普通です。
A. 家庭血圧の平均が大事です。正しい測定で1〜2週間つけてお持ちください。方針決定に役立ちます。 

Q. DASH食は日本でもできますか?
A. できます。具だくさん味噌汁(減塩)、魚・豆・野菜多めの定食、果物は1日1品など、和食でも実践可能です。 


院長のひとこと

血圧は“測り方と毎日の小さな積み重ね”でしっかり整っていきます。
完璧より、今日はちょっと減塩・ちょっと歩く。その積み重ねが未来の合併症を減らします。
気になるタイミングで、どうぞ気軽にご相談ください。
※参考としてご覧ください。詳しいことは体調に合わせてご相談ください。