こんにちは。惠仁クリニック院長の渋田です。
6月に入り、梅雨の気配を感じる日が増えてきました。この時期、「なんとなく調子が出ない」「頭痛が続く」「気分が落ち込みやすい」など、はっきりとした病気ではないけれど体の不調を訴える方が多くなります。こうした不調は、気圧や湿度の変化による“気象病”が関係していることがあり、医学的にも注目されているテーマです。
今回は、梅雨の時期に起こりやすい体調の変化と、その対策についてご紹介します。
「気象病」や「天気痛」とは?
気圧の変化に敏感な方は、耳の奥にある内耳が反応し、自律神経が乱れやすくなるといわれています。これにより、以下のような症状が現れやすくなります。
- 片頭痛、頭の重さ
- めまい、ふらつき
- 首や肩のこり、関節痛
- 全身のだるさや倦怠感
- 不安感や気分の落ち込み
- 寝つきの悪さや眠りの浅さ
「気圧が下がる前日に調子が悪くなる」「台風の時期になると毎年不調になる」といった体験がある方は、気象病の可能性があります。
日常生活でできる梅雨時の体調管理法
気象の変化は避けられませんが、日々の生活習慣の工夫で、自律神経の乱れを和らげることができます。
1. 睡眠のリズムを整える
同じ時間に寝起きすることで、体内時計が安定し、自律神経のバランスが整いやすくなります。
2. 適度な運動とストレッチ
ウォーキングやヨガなど、軽い運動は血流改善に役立ちます。特に朝の光を浴びながら行うと、セロトニン分泌が促され、気分の安定にもつながります。
3. 食事と水分補給を意識する
栄養バランスの良い食事を心がけ、温かい汁物やお茶などで体を冷やさないようにしましょう。梅雨でも脱水になりやすいため、こまめな水分補給も忘れずに。
4. 湿度対策と快適な室内環境
湿度が高いとカビやダニが繁殖し、アレルギー症状を悪化させることがあります。除湿器やエアコンを活用し、快適な湿度(50〜60%程度)を保ちましょう。
5. 天気の変化を記録する
天候と体調の関係を記録することで、自分の傾向を知る手がかりになります。最近では「天気痛予報」アプリやウェブサイトの予報情報なども活用できます。
医療機関に相談するタイミング
気象病の症状が強く、日常生活に支障をきたすようであれば、無理せず医療機関を受診してください。
- 症状に応じて痛み止めや漢方薬などの処方
- 自律神経を整えるための生活指導
- 睡眠に問題がある場合は比較的副作用の少ない薬の検討や睡眠衛生の指導
当院でもこうした不調への対応を行っておりますので、「なんとなく調子が悪い」「天気が悪いといつも頭が痛くなる」といったお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。
最後に
梅雨の時期は、心も体もどんよりしがちですが、自分の体調のリズムを知り、無理せず過ごすことが大切です。無理に頑張りすぎず、「今日はゆっくり休もう」と思える余裕を持って、季節の変わり目を乗り切りましょう。
皆さまの健やかな毎日を、惠仁クリニックはサポートしてまいります。