こんにちは。惠仁クリニック院長の渋田です。
「くしゃみや鼻水が止まらない」「目のかゆみや咳が続く」「もしかしてアレルギーかも?」と感じたことはありませんか?
アレルギー症状は、花粉の季節だけでなく、ダニやハウスダスト、食べ物、ペットなど、私たちの身近な環境の中に潜んでいます。そして、原因を特定しないまま市販薬でやり過ごしてしまうと、症状の悪化や誤った対応につながることもあります。
今回は、アレルギー検査の流れや注意点について、医療機関での実際の取り組みをご紹介します。
アレルギーとは?
アレルギーは、本来外敵から身を守る「免疫システム」が、特定の物質に対して過剰に反応してしまう現象です。
原因となる物質は「アレルゲン」と呼ばれ、主なものには以下があります。
- スギ・ヒノキ・ブタクサなどの花粉
- ダニ・ハウスダスト(ホコリ)
- 動物(犬・猫の毛やフケ)
- 食品(卵・乳・小麦・甲殻類など)
- カビ・金属・薬剤など
症状としては、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみだけでなく、喘息、じんましん、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーなど多岐にわたります。
医療機関でのアレルギー検査の流れ
当院では、以下のような流れでアレルギーの原因を特定していきます。
1. 問診・診察
・いつからどんな症状が出ているか
・季節性か、通年性か
・生活環境、職業、ペットの有無などを確認
2. 血液検査(特異的IgE測定)
採血により、特定のアレルゲンに対する抗体(IgE)がどの程度あるかを調べます。
一般的な「アレルゲン39項目セット」や、必要に応じて個別項目の追加も可能です。
3. 結果の説明と生活指導
結果は約1週間後に判明します。
症状と検査結果を照らし合わせて、今後の対策を立てます。
(皮膚テストや食物負荷試験などは当院では実施しておりませんが、必要な場合は専門機関をご紹介します)
検査を受ける際の注意点
1. 検査前の薬に注意
抗アレルギー薬を服用していると、皮膚テストには影響が出ることがありますが、血液検査であれば通常は影響しません。ただし、投薬歴については必ずお知らせください。
2. 症状が出ていない時期でも検査可能
「春は症状が出るけど今は大丈夫」という時期でも、検査を受けることで次のシーズンへの備えができます。
3. 陽性=必ず症状が出るわけではない
アレルゲンに対する抗体があっても、実際に症状が出ないこともあります。そのため、検査結果だけでなく問診や経過観察が重要です。
検査を受けた後にできること
原因が分かることで、生活の中で具体的な対策が取れるようになります。
- 花粉:飛散シーズン前からの予防薬内服、マスク・メガネの活用
- ダニ・ハウスダスト:布団の天日干し、空気清浄機、防ダニカバーの活用
- 食物アレルギー:栄養士や専門医との連携、除去食・誤食時の対応の確認
惠仁クリニックでの取り組み
当院では、アレルギーが疑われる方に対し、血液検査によるアレルゲン特定や症状に合わせた抗アレルギー薬の処方、必要に応じて専門医療機関への紹介を行っています。
「毎年決まった時期に症状が出る」「市販薬では効果が不十分」「何が原因か分からない」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。
最後に
アレルギー症状は生活の質(QOL)に大きく関わりますが、原因を正しく知ることで、症状の軽減やコントロールが可能になります。
ご自身の体の反応を知り、無理のない対策を一緒に考えていきましょう。